今年も水イボの季節がやって来ます。皮膚に光沢のある小さなプツプツを起こすこのイボは、お子さんたちにとって、最悪の敵の一つです。犯人は伝染性軟属腫ウィルスというウィルスです。
取る、取らないに関しては明確な決まりはなく、これがお子さんや親御さんを悩ませる原因となります。全身が水イボに侵されて、生命の危機に陥ったという患者さんは、自分の経験では一例もありません。しかし、保育園やプール教室からのプレッシャーや、段々増えていくポツポツの恐怖から、処置を希望される親御さんは多いです。誰も自分の子供に痛い思い、怖いをさせたい訳がないですし、やむなく処置を希望されています。
保育園も、プール教室も、お子さんに意地悪をしたいわけではありません。社会全体が「水イボのうつしっこ」を、ある程度お互い様だから仕方ないもの。としてくれれば、そこまでうるさく言わなくてすむのに。。と思っているのではないでしょうか。
水イボの治療の是非に正解はありませんが、当院では、麻酔のシールを貼って、痛みを軽減してからとる方法を選択しています。
ただし、目に見えるイボを取っても、目に見えないほどの小さなイボがあれば、結局は他者への感染を確実におさえることにはならないことは確かです。
それでも、確実に増えて大きくなっている部分を取りながら、その他の目に見えない程の小さな部分は自然治癒を待つ。その際、極力お子さんに恐怖と痛みを与えないように努める。
これが現時点で私の考える治療方針です。